日本の隠れた財産

ヨーロッパに住んでいると意外な日本の財産に気づくことがあります。

よく、日本からのお客さんがお土産を持ってきてくれますが、それがお菓子の場合、大抵はスタッフに分けるように、秘書に頼んでしまいます。その際、必ず秘書が感嘆するのが、日本のデパートの包み紙の端正な包み方です。

大体において、ヨーロッパでもアメリカでも本当に包みませんね。包んだとしても非常に下手。いつか、家内に20ドルの雑貨を買ったときに、ちゃんとした包装を頼んだら奥からキットを出しててきてそりゃきれいに包みましたが、その分5ドルを要求されてしまいました。

そこへいくと、日本のデパートのフロアメンバーのスキルは凄いですよ。これが、どこのデパートに行っても平均的に行われている。実は、筆者の両親はさる百貨店の社内結婚なので、どてもうまかったですね。実際の職場は管理部門だったようですが、それでも社員教育として包装が徹底されていたと言うことですになります。

ある人は、日本の折り紙の伝統を指摘していましたが、それもさることながら、日本におけるデパートと言うものの位置づけと言うか矜持を感じますね。我々日本人は、こういう包みを当たり前のように消費している。でも、これって世界的見れば非常にまれで、かつこれがほとんどただでるというのは、大変贅沢な話だと思うんですよ。もっと、この贅沢を味わうべきだと思います。だって、贅沢って味わってなんぼで、味わわなければ無駄になるだけですので。

それにしても、こういう細部へのこだわりって、本当に日本人的ですよね。例によって、大戦中の話になりますが、日本軍の兵器、例えば航空機は、アメリカ軍に言わせると細部への無駄な仕上げが多すぎるとのこと。また、鉄カブトがクロームモリブデン鋼で耐食性が世界一だったとも言われますが、こんなところで世界一になるよりも他にやることがあるだろう、と思うのは筆者だけではないでしょう。
もっとも、凝り性といえばドイツ人、やはり大戦中に4発爆撃機を開発する際に、何を思ったか4発2プロペラ、要するに2つのエンジンで一つのプロペラを回す機構を開発しようとして大失敗。他にも、やりすぎの失敗数知れず。

まあ、脱線はともかく、日本のこうしたインフラ、もっと評価され大切にされてもいいのではと思います。ほんとに、世界に冠たる技能ですよ!