2009-01-01から1年間の記事一覧

本当にあった話

手抜きと言うわけではないんですが、非常に感心したものですから。ちなみに「メロンパン社長」吉田氏のブログから。 ****************************本当にあったお話です。 この出来事は南アフリカのヨハネスブルグからイギリス…

脳と「本社」

養老孟司氏の「唯脳論」に、脳が自分の存在を守るために意識を発明したのではないかという話が出てきます。 普通、細胞は用済みになると自ら姿を消し去ります。たとえば、初期の胎児の指には水かきがありますが、成長するに従って指の間の細胞が死滅し、人間…

Fさんのこと

筆者もそれなりの年を生きているので、いろいろな方にお世話になってきていますし、師と呼べる方も多数おられます。筆者いきつけのカクテルバーのマスターであるF氏も、筆者の師のお一人です。知り合ってから、もう30年以上になりますか(筆者の年がばれま…

「前提」の崩壊

19世紀前半、ロシアの数学者ロバチェフスキーが、「平行線が交わると仮定した」幾何学の可能性を提起しました。最初の講演は冷笑に迎えられたそうですが、結果的に彼の論が非ユークリッド幾何学の一つの端緒になりました。 当時の人の反応のわけはよく分か…

東宝の映画と山の手文化

前回、アメリカの黄金時代のサウンドについて書きましたが、今日はその流れで東宝の映画について。 筆者の子供の頃は、映画と言えば東宝の怪獣映画に決まっていました。また、父親の影響で戦争映画も見ていましたし、併映の若大将シリーズとか駅前シリーズな…

古きよきアメリカのサウンド

昨日は、ちょっと車で遠出をする用事がありまして、ドライブをしながらフリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団のベートーベンの5番と7番のCDを聞いておりました。実は、このうちの5番は筆者が始めて買ったLPのCD版で、やはり慣れ親しんだ音はほっとさせて…

トリスタンとイゾルデ

この週末、ベルリンでワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」を観て来ました。お話は、王の従者トリスタンが王に嫁ぐイゾルデを船で護送するところから始まります。実は、トリスタンはイゾルデの婚約者を討った敵であるとともに、お互いひそかに愛して…

複雑系について(続き)

前回書いてから思い出したことを少し書きます。 複雑系の関心の対象を分かりやすく説明した例をいつか読んだんですが、曰く、火のついたタバコを灰皿に置いておくと煙が立ち上ります。最初は真上に上っていき、そのあとくるくるとおどるような動きをとったあ…

複雑系についていくつか

生兵法は怪我のもととは分かっていながら以下いくつか。最近はマスコミ的には下火になっていますが、一時、「複雑系」は一種のマジックワードでしたね。しかし、その実、「何となく難しいことをやっている」というイメージ以上のものはあまりなかったように…

純粋なるものの先鋭性とその対処

畏友、風観羽さんの最新エントリーはなかなかの力作です。一部引用すると、 ************************************* 『悩む力』の中核的な仮説は、『現代人の苦悩の多くは「近代」という時代とともにもたらされたもの…

惜しまれつつ?

世の中には、未完成・あるいは夭折したであることで残念がられているものや人物が結構ありますね。例えば、夏目漱石の「明暗」とかモーツァルトの「レクィエム」なんかがそうですね。人物では、坂本竜馬なんかが代表かもしれません。 しかし、文芸春秋の10…

しぐさ〜リモコン・電話

いまはさすがにいないでしょうが、ちょっと前まで、リモコンと言うと右手で何かつかむふりをしながら前後に動かすしぐさが結構ポピュラーでした。そう、鉄人28号のまねです(筆者の年がばれますな)。 また、電話の場合は、左手で受話器をもつふりをし、右…

国の底力〜きょうの料理とスタジオミュージシャン

最近、「冨田勲NHKテーマ音楽集」というCDを愛聴しています。新日本紀行とか現代の映像とか、懐かしいテーマが多く収録されているんですが、何といっても秀逸なのは、「きょうの料理」のそれですね。料理番組のテーマ曲としては、「キューピー3分クッキング…

男性の女性観について

こういう題名を見ると、何かジェンダー論かなんかかと思われるかもしれませんが、もっと卑近な話です。大学に入って気がついたんですが、女性に対する態度がそれまでの生活史に相当左右されているようですね。筆者の勝手なイメージでは、共学の高校の出身者…

改めて網羅的な知識の重要性について

昨日、トニー・ジャットの「ヨーロッパ戦後史」上下巻を読了しました。実は、取り組んでからほとんど丸4ヶ月かかってしまいました。主には2段組1000ページ以上の大著であり、また非常に内容が濃かったせいです。 しかし、実は、その間、他のものを読ま…

自己責任ということ

最近、ぐっちーポストで経済評論家の三原淳雄さんが、「自己責任なんて言葉があるのは日本だけだ。そもそも、責任は自己にあるに決まっている」と言う旨の発言をされていました。まあ、そうかも知れません。しかし、なぜ日本にそのような言葉があり、それが…

それぞれの時間軸

イタリア語通訳の田丸公美子女史のエッセイ、「パーネ・アモーレ」を読んでいたら、こんな記述が。 乗ったタクシーの初老の運転手と話していたら、奥さんが冷たいという愚痴を聞くはめに。曰く、 「自分は幼くして母を亡くして母性愛に飢えている。それなの…

今度こそ東京モーターショーからコンパニオンの全廃を

東京モーターショー(以下MS)が始まりましたが、海外からの参加が2社にとどまったとか。経済危機が理由とされていますが、嘘ですね。上海には世界中のメーカーがこぞって出展していますから。 東京MSの不振は、まずは市場としての成長の可能性の低さです。…

職人道が日本を救う?

風観羽さんの社畜批判には、改めて同感するところ大でした、http://d.hatena.ne.jp/ta26/伝統的な日本企業の雰囲気がまるで江戸時代の下級武士のそれと重なると言う指摘はまさにそのとおりと言える部分があります。しかし、ことはそれほど単純じゃないんじゃ…

英語の使い方について

筆者、アメリカの現地法人に人事担当者として駐在の経験がありますが、結構日本人とアメリカ人の紛争の仲介に時間を取られました。でも、結構英語の誤った用法によるものがあったんです。一例目:had better 日本人マネージャーから最後通告を受けたといって…

ネットワークと仏教的世界観

曲がりなりにもネットの世界に関わっていますと、個人の主体性とか自我というものの意味の軽さを感じるときがありますね。つまり、ネットを介した交流を通じて、自分の考えがどんどん発展し、変わっていく。同時に、他人にも影響を与えていくわけです。そこ…

気が済む

筆者の思考パターンの一つに「気が済む」というのがあります。 いろいろなところに行ったり、試してみてがっかりするということがありますよね。でも、筆者、脳天気というか、がっかりしないんです。というのは、「気が済む」からです。筆者にとって、「未知…

戦時中の娯楽・戦後の復興

第二次大戦は各国に深刻な打撃を与えたのは事実です。しかし、敗戦国にとって、その打撃がどのくらい長期にわたったのかについては注意が必要と思います。ドイツについては、戦争も末期になるまで本国の生活水準は高いレベルで維持されたようです。何しろ、…

無意識の知

神戸女学院大学の内田樹さんは、「寝ながら学べる構造主義」など愛読させてもらっている方ですが、最近のブログで面白いことを書かれています。************************************* 、どうやらわれわれの知性という…

戦車(その1)

この夏休みにドイツを回った際に、「ムンスター戦車博物館」に行ってきました。ここは、イギリスのボービントンやアメリカのアバディーン、フォートノックスなどと並び、戦車ファンの聖地ともいえる場所です。ドイツ戦車だけでなく、各国の戦車を一通り網羅…

婚姻制から見る近世以前と明治以降の「背伸び」について

民俗学者の赤松啓介氏などによると、日本人の社会は典型的な母系社会であるということになります。その典型が「夜這い」の習俗です。複数の男が女のもとに通い、妊娠した際には女性に父親を指名する権限があったということです。もちろん、その男が生物学的…

絵画的「周辺国」

いつだったか、ポーランドのポズナニの国立美術館に行ったときに、ある衝撃を受けました。 丁度、日本で言えば昭和初期にあたる時期の絵画が特集されていたんですが、これが、日本のそれとそっくりだったんです。もちろん、画家ですからそれぞれのスタイルが…

日本の公的存在について

突然何かと思うかもしれませんが、多少政治的書き込みです。 筆者、文芸春秋を送ってもらっているんですが、今年の5月号の特集が「美智子妃誕生」だったんです。受け取ったときは何とも思わなかったんですが、今になって書きたくなりました。要するに、今の…

東と西(その2)なぜ家康が天下を取ったのか

陳腐なタイトルかも知れませんが、戦国大名って共通理解があるだけに、論ずる甲斐がありますね。本日言いたいのは、家康が天下を取ったのは、官僚組織を持っていたからではないかという仮説です。そもそも東には、官僚組織への親近性があるように思えます。…

歴史の中の近江商人

筆者、ビジネスマンで作る近江商人の研究会に名を連ねております。もっとも、地理的な関係で現在はもちろん幽霊会員ですが。 近江商人の代表としては、高島屋とか大丸とか伊藤忠なんかがあげられますね。 この近江商人、「買い手良し、世間良し、売り手良し…