続:政治家の発言に思う〜一刀両断の誘惑

件の政治家さん、辞任との情報もありますが。

今回の発言の裏には、「一刀両断」への誘惑があるように思えます。つまり、「これこれはこういうものだ」という、一種の割り切りを格好良く思うメンタリティです。

一刀両断も、事実を知り、洞察し、その上でその本質を簡単明瞭に言うんだったらこれ以上のことはありません。それこそ、教養というものでしょう。しかし、以前にも書いたように、「狩猟民族と農耕民族」式の議論は、単によく分からないけどとりあえずぶった切っているに過ぎませんね。今回の氏の発言は、明らかに後者に属していると考えます。

しかし、こういう、いわば閉塞の時代(実は高度成長のような、ベクトルが明瞭な時代の方がレアではないかと思っていますが、一応こうしておきますか)には、皆さん一刀両断的な議論を渇望してます。

小泉さんに熱狂したのも、政策の中身よりもその切れ味に快哉を送ったというのが正直なところではないかと思います。

まあ、そうは言っても、筆者は小泉的な方向性を支持するものです、というよりも、この道しかないんじゃないでしょうか?確かに、「小泉改革」によって地方は疲弊したでしょう。しかし、今まで、国の金でスパゲッティ状態であったのから、何本か管を抜いたに過ぎないのではなかったか?むしろ、あのままでは国全体が共倒れになったのではなかったか?

・・・でもねぇ。もう、10年くらい前になりますが、当時住んでいたアメリカで、日本人会が講演会を催しまして、スピーカーとして野口悠紀男さんがしゃべってくれました。その時に、「破滅を回避する唯一の機会を日本は逃した」と淋しそうに話していました。日本の財政赤字についてです。そうなのかも知れない・・・

でも、今回の金融の動揺を見ていると、アメリカの病の方が根深いのかもしれないな、とも感じます。満身創痍の日本がアメリカを助けるの図、ですが本当に機能するんでしょうか???