親米とは〜久しぶりに風観羽さん江

このブログ、畏友風観羽さんの勧めで始めたんですが、いつもながら彼のエネルギーと勉強振りには感心させられます。
ところで、最新の記事で米国への傾斜について書かれておられます。まったくそのとおりと思いますが、筆者なりに補足させていただくと単なる傾斜が問題なのではなく、実は大半の人々がアメリカのことを知らないまま入れ込んでいることが問題なのではないかと感じます。
最近の日本のいわゆる指導層にはアメリカ留学帰りがごろごろしているかと思います。あるいは、ハワイを含めた渡米経験者なんかそれこそ掃いて捨てるほどでしょう。しかし、それが必ずしもアメリカを知ったことになるとは限りません。
筆者も一応、アメリカ在住経験者ですし、親戚にもアメリカ人とのハーフが居たりして、平均的な日本人よりもはるかにアメリカのことを知っているとは思います。しかし、ある時、アメリカ人と結婚した日本人女性と話していて、目から鱗の経験をしたことがあります。
彼女に言わせると、大抵の留学生はアメリカ人のカジュアルな面のみ見ている。学生同士、あるいはビジネスでも非常にフランクです。しかし、特に学生なんかは、家に帰ると、父親が絶対で、息子からは「あの、お言葉を返してよろしいでしょうか」という物言いであるのがまだまだ多くの家庭だというんですね。つまり、いまだにアメリカの父ちゃんは怖いんです。そういう面があることを知らないまま帰る留学生ばかりだと嘆いておられました。
確かに、都市部に慣れた目で田舎に行くと、本当にびっくりしますね。髪の毛はきれいに調髪されているし、いかにもまじめそうです。なるほど、アメリカの底力はこんなところにあるかと実感しました。あるいは、仕事をしていてだんだんと気がついてきたのは、アメリカ人は陽気なんじゃなくて、陽気を演じなければならない人々なんですね。ですから陰気なアメリカ人を何人も見ましたし、本音と建前は日本人以上じゃないでしょうか。
昔のドイツびいきもそうかもしれませんが、今の日本のメンタリティもちゃんとその国を知った上での親近感というよりも、勝手に自分で像を作り上げてそれを後生大事にしているような観もあります。
本当に知ってくると、手放しの親近感も完全な嫌悪感もないはずです。何しろ、国なんてそんな簡単に把握できるものではありませんし、まして相手は“アメリカ”ですから。
この辺、いつか書いた、現地現物の危険性にも関係していますね。自分の印象はその場・その時・その人限りのものですから。自戒したいものです。