中国だから私信じる?

もう20年くらい前になりますかね。ポッカから「維力」なる健康飲料が売られていました。そのコマーシャルのコピーが、「中国だから私信じる」。中国産の原料を使っていることを訴求したものでしたが、今ではまるでギャグです。

しかし、このことって、なかなか意味深長ですよ。要するに、消費って、マテリアルの消費であるとともにイメージの消費なんですね。特に「健康飲料」なんか。

日本にいるころ、会社の飲料の自動販売機のボタンに、いろいろコピーがありましてね。その中の一つが、カルシウム添加の炭酸飲料で、それにも「健康飲料」と謳ってありました。でも本質はただの砂糖水ですよ。でもカルシウム添加だけで「健康飲料」になってしまう。実に底が浅いものがありますね。

ところで、信じるということについて、筆者、最近の食品偽装にもかかわらず、日本の食品の信頼性は大いに上がっていると感じています。というのは、今は隠されていたものが暴かれているだけであって、昔は本当はもっとひどかったんじゃないかって思っています。そりゃそうでしょう、監視されていなければなんだってやりますよ。今は、内部告発が活発で、隠されていたものが公になっているだけでしょう。ですから、信頼性は大いに上がっていると思います。

かつての清の雍正帝の時代、彼は国内各地に隠密をしのばせ、毎月レポートを取り寄せていた。そのため、高官は清廉潔白ノイローゼになっていたそうですが、そのお陰で清は300年も永らえることができた。その代わり、彼自身は働きすぎで10数年で亡くなってしまいましたが。今は、内部告発がその代わりを務めているわけですか。

日本の強みが、製造物の品質にかかっている中、こういう状況はまことに好ましい。

日本だから私信じる、という状況が続くことを切望しています。