言葉の言い換えさまざま

最近、「玉砕」を全滅と言っていたら終戦が早まったという文章を読みましたが、いつの世にも言い換えというか、言葉のマジックは散見されるものです。

1、金融機関
最近はよほど聞きませんが、銀行や保険会社は「金融機関」と呼ばれていました。「機関」などというと、何だか公的な感じがしますが、実際、昔の銀行は公的な色彩がありましたね。護送船団と言われようが、国内外から成長のための資金を一斉にかき集め、産業界に供給していたわけです。各銀行の創意工夫はなくとも、ある方向性のもとに作業をしていったという意味では、まさに金融「機関」といえるでしょう。
昔むかしのことですが、小学校の家庭事情調査(こんなものがあったんですねぇ)の親の職業欄に、「会社員」「銀行員」「公務員」などと、会社員と銀行員が別だったことがあります。それだけ、ステイタスがあったということになります。
しかし、高度成長が終わり、金融業が自己の利益を優先とする存在であることを露にし始め、特にバブルを通じて、ますます利己主義が暴走する中で、金融機関からただの銀行業・保険業になっていきました。まあ、「機関」なんて呼び方がおかしかったんですがね。

でも、今のような銀行・証券の救済劇を見ていると、本来、金融業は「機関」として規制されるべき存在だったのかも知れません・・・

2、なぜ「巨人」軍?
もちろん、野球のことですよ。昔から不思議でした、なぜ、ジャイアンツだけが「巨人」軍なのか。「阪神軍」とか「西武軍」なんて言いませんよね。そもそも、巨人は巨人じゃなくて、「読売」じゃないですか。
まあ、読売以外のマスコミにとっては、読売の宣伝をするのがしゃくに障るのかもしれません。しかし、ドラゴンズは中日新聞ですしね。
松井がなぜヤンキースに行ったのかについては、いろいろ言われていますが、一つの説は、日本のプロ野球がとどのつまり、読売新聞の販促のためにあり、そこに野球への愛が無いことを見抜いたからだというものがあります。ありえますね。
もっと、いやなのは、それが隠蔽されていることです。その象徴が、「巨人」なる珍妙な名称じゃないでしょうか。各マスコミのみなさん、明日から巨人ではなく、「読売」と呼びませんか?「巨人」人気には止めを刺すかもしれませんが、絶好の野球復活のチャンスですぜ。

3、父兄会?
学校の親の集まりと聞いて、こう言ってしまう方は相当なご年配とお見受けします。戸主がほとんど男性に限られていた時代の名残でしょうね。
で、かなりの方は「父母会」と思っているでしょう。でも、最近は「保護者会」と言ってるんですね。そりゃ、最近はいろいろな家庭がありますからねぇ。それでも、各児童には保護者がいるという最低の立て前はあるわけです。それにしても、保護者会とは考えましたね。

4、ボーナス・・
ご存知の方も多いと思いますが、大体の会社ではボーナスのことを「賞与」と読んでいます。一方、労働組合からは「一時金」と呼ぶことが多いでしょう。もちろん、会社の立場からは、「これは特別なものである」、ということですし、組合からは、「当然もらえるもの」ということですね。まあ、この辺は双方、心得ていて、にやにやしながら使っていますよね。
いや、にやにやなのか、殺気立っているか、労使関係の成熟度を表わしているかもしれません。こんなところで目くじら立ててもしょうが無いですからね。

以上思いつくままに。