役人の「渡り」論議に思う

最近、マスコミを賑わしている、役人の「渡り」ですが、いろいろ考えさせられますね。

いわゆる高級官僚って、やはり日本のトップエリートだとは思います。いくら産業界が重要だからといって、行政に人材が必要なことは論を待ちません。
そういうポジションに有為な層を呼び込むには、それなりの待遇を用意せざるを得ません。

問題は、そういう待遇を確保するために、不必要な組織を作ることにあります。役人本人への処遇だけならたかが知れているものを、特殊法人などを作ることによって、何百人もの扶持を抱えることになる。これはどう見てもムダですね。

また、所詮、役人という地位を「致富」の道具にしてはいけないということです。そりゃ、一般のレベルからは上であるべきですが、金持ちにさせてはいけない。所詮、行政の歯車ですからね。

筆者、高級官僚を何人も知っていますし、彼らの苦労もわかります。しかし、天下り先ではかなりの確率で無能者ですよ。出身官庁への用心棒的な役割で雇っている会社も多い。国民経済から見て、どう見ても、不経済です。

エリートにはそれなりの待遇を保証する。一方、いらぬコストはかけない。こうした冷静な議論は必要なんですけどねぇ。