品質産業とクレーム産業

世の中のビジネスにはいろいろな切り口があるんですが、「品質産業」と「クレーム産業」という区分も可能ではないかと思います。
といっても、何のことか分からないと思いますが。

この言葉を聞いたのは、住宅産業に携わっている友人からでした。住宅も大手メーカーがいくつもありますが、住宅メーカープロパーとして出発した会社と、電機や自動車など製造業を母体とする会社ではビジネスのやりかたが全く違うとのことなんです。彼曰く、住宅は典型的なクレーム産業で、クレームを恐れる必要はない。むしろ、クレームはどうしても発生するものなんだから、それにいかに迅速に対応するかがポイントなんだと。そして、住宅プロパーの会社はその辺よく心得ていて、非常にうまいんだけど、他分野メーカー母体の会社はすぐに「再発防止」とかいってモノの改善のほうに走ってしまい、結果的に過剰品質になるんだとか。それでいて、客あしらいがうまくないんで損をしている。だから、メーカー系の住宅も実は結構いいんだよ、と。

まあ、この話を聞いたのはだいぶ前のことであり、積水とか旭化成のように他業種出といっても専業メーカーのように見える会社もありますし、プロパー会社といってもキモの部分はしっかりしているんでしょうけど、それにしても考えさせられる話です。

要するに、ビジネスによって求められているものが違うということです。「顧客満足」という言葉は一緒でも、その意味するところはいろいろであるということです。その辺を心得ないと、一生懸命の努力があらぬ方向に拡散してしまうということですね。

この種のひとりよがり、結構周りにあるように思いますが、いかがですか?