ドイツの自動車博物館

ドイツ回りの中で、自動車博物館を4つ訪問しました。
始めは、ミュンヘンBMW博物館です。ここは、ミュンヘンの町の中心から少し離れたところにある、BMWの本社地区にあるんですが、本社自体が円筒を4つ束ねたような、通称四気筒という変わった高層ビルです。
博物館自体は、BMW製品の展示が中心で、当然自動車を中心にバイクや航空機エンジンなんかですが、割とオーソドックスな内容でしたね。
次が、シュトゥットゥガルトのベンツ博物館とポルシェ博物館です。
ベンツ博物館ですが、ここもベンツ本社の脇にあります。そもそも、シュトゥットゥガルト自体が、中央駅の塔の上にベンツの社章がくるくる回っているという、ベンツの町なんですが、本社地区も堂々としたものです。博物館も大規模で、オーディオガイドを聞きながら回るんですが、ここも自社製品のみの展示ながら、時代背景とか自動車の発展史とかモータースポーツとの関わりとか、とにかく多岐にわたり非常に楽しめましたし勉強になりました。さすが、自動車を発明した会社だけのことはあります。しかも、トラックとかバスなんかのコレクションも相当なもので、しかも自社製品のみでそれらの発達史を語れるあたり、さすがの一言ですね。
次のポルシェ博物館ですが、小規模と聞いていましたが最近大規模な博物館を建てたようです。やはり本社の隣です。ここはもう、モータースポーツ一色でしたね。逆に、モータースポーツでブランドイメージを作ってきたことがよくわかります。
最後は、ウォルフスブルクVW博物館、というかオートシュタット(自動車の町)です。ここも、本社のある町なんですが、どうも本社というものがよくわからない町でした。また、内容ははっきり言って、がっかりものでした。
ここは、「自動車のテーマパーク」ということなんですが、最初は自動車博物館で、しかもここもVW車のみの展示なんですが、いかんせんモデルが少なく、あっけなく終わります。また、説明も極めてプアでした。
その他は、ランボルギーニとかシュコダとかセアトといった傘下企業のパビリオンなんですが、実際はただ今のモデルを並べているだけ。ランボルギーニVWだけは、「体感型」と銘打っていましたが、前者は止まっている車の前での煙と光と音のショー、後者はミニプラネタリウムの中であまり面白くもない映画を見るだけでした。やはり、ドイツ人、エンタテインメントの才能はないようですね(この点では、アメリカ人は天才的です)。
全体に、広い敷地を使っているんですが、何だかナチスニュルンベルクの神殿建築群を彷彿としてしまいました。メイン神殿と末社群という感じなんです。最後までコンセプトのはっきりしない施設で、しかも入場料が結構高く、「カネ返せ」という気分でした。

それにしても、4つの博物館とも、自社製品のみで固めるあたり、ドイツ人の心情が垣間見える気がしましたね。
アメリカのフォード博物館とか、日本のトヨタ博物館なんかは、一応世界の自動車発展史を俯瞰しようという気持ちがあるんですがね。彼らにしてみると、他国の自動車は所詮亜流なのかも知れません。ちょっと言い過ぎかな。

ともかく、何事も行ってみないとわからないという、一つの典型でしょうね。