衛兵交代

ヨーロッパの王宮につきものなのは、いわゆる衛兵交代です。どこでも、観光の目玉ですね。
しかし、ここにもいろいろなお国振りが現れています。

北欧では、デンマークノルウェイスウェーデンの三王国それぞれに衛兵交代がありますが、ノルウェイはごく小規模とのことです(あいにく時間が合わず。しかし、そもそもいつもは衛兵がいない)し、王宮も非常に質素です。デンマークは、時間になると観光客が大勢集まってきますが、ただの号令つきの行進で、しかもとてもあっけないですね。また、同じく王宮は非常に簡素なものです。面白いのは、両国とも、王宮の衛兵は少数なのに、ひょんなところにいたりするんですね。オスロの場合は、すっかり観光化されたアーケシュフース城に突然衛兵がいたり、コペンハーゲンの例の人魚の像の脇にあるカスレテット要塞も実質上公園なんですが、一応兵舎がある関係でしょうか、現代風の兵士がパトロールしたりしています。
それに比べてストックホルムのはなかなかですよ。実は、定例の時間の前にも、号令・行進の小規模な衛兵交代はやっているんですが、本番のは全員騎馬で少なくとも30騎はあり、非常に勇壮なものです。ただ欠点は、馬糞臭いことですがね。
あと、なぜか、プラハの旧王宮にも衛兵交代があります。これは音楽隊の行進で見ていて非常に楽しい。でも、よく考えたら、チェコとしてははるか昔はともかく、今世紀に入ってからは王国としての歴史はないんですがね。何を守っているんでしょうか。その分、どうも緊張に欠けるようなところもあります。筆者が行ったときには、どうも兵士の家族がきていて声援を送り、兵士が苦笑いしていたり、その後、定常の位置の兵士が微動だにしていたり。

やはり豪華なのは、イギリスでしょうね。バッキンガム宮殿の衛兵交代は、バグパイプのいかにもイギリスという雰囲気です。

しかし、このような衛兵交代、どうしても儀礼的な色彩が強い、それに対し、より軍隊に近いものにはそれなりの緊張感があります、例えば、アメリカはワシントンのアーリントン墓地とかワルシャワの無名戦士の墓とかの衛兵交代は宗教的な儀式そのものですね。

衛兵交代一つとっても、その国の規模、あるいは歴史とか価値観を感じます。