今度こそ東京モーターショーからコンパニオンの全廃を

東京モーターショー(以下MS)が始まりましたが、海外からの参加が2社にとどまったとか。経済危機が理由とされていますが、嘘ですね。上海には世界中のメーカーがこぞって出展していますから。
東京MSの不振は、まずは市場としての成長の可能性の低さです。同時に、輸入車のシェアの小ささも原因として挙げられるでしょう。海外メーカーにとっては、出展のコストパフォーマンスが大変悪いということになります。

ただ気になったのは、コメントの一つに、「東京MSではコンパニオンにのみ注目が集まって、車への関心が高くない」というものがあったことです。確かに、東京は他のMSに比べて、ひときわコンパニオンが目立ちますね。
もちろん、年々変わる部分があるでしょうし、筆者のn数は多くないんですが、東京はコンパニオンとコンセプトカーが一番多く、デトロイトはその対極、フランクフルトなんかはその中間でしょうかね。デトロイトは、今の車の展示中心で、町の人たちが「次はどの車にしようか」なんて見に来る雰囲気がありました。それだけじゃなく、MSの次の月には「デトロイトオートラマ」という、マニアの改造車を中心とした車好きの祭典がありましてね。さすが、車の町だけのことはありましたよ。

そのデトロイトにもごく少数ですが、コンパニオン的な女性はいました。しかし、東京の場合と違うのは、彼女たちの説明のトーンは完全にプレゼンだったんです。東京では、女性たちは一般的に、媚を売るような感じがありますね。あるいは、母親が赤ちゃんをあやすようだとも言いえます。しかし、デトロイトでは「自分たちはプロである」という姿勢がありありでした。

筆者、かねてから東京MSの雰囲気には違和感がありまして。端的に言えば、伝統的な男性社会の価値観で貫かれているなということです。女性は完全にマスコットですし、男性もそれに甘えているという構図は、とても均等法以降の社会に存在しているとは思えないですね。これでは、女性はもちろん、心ある男性もいかがなものかと感じてしまうでしょう。自動車産業は「昨日の産業」と見る向きもあるようですが、こんな状態では「おとといの産業」になってしまうかもしれません。何より純粋な車好きを遠ざけてしまうかも知れません。

思い出したのは、今のプロ野球です。筆者、必ずしも野球は嫌いじゃないですが、今の野球場に行く気がしません。試合そっちのけの「応援」に我慢ならないからです。あれって、露天を前提にしていたんじゃないかと思うんですが、ドームで同じようにやられるとねぇ。海外からの選手が皆ショックを受けるようですし、野球の発展のためにもならないんじゃないでしょうか。

まあ、自動車会社も広告代理店もここらで頭を切りかえ、コンパニオンなど無い、車にのみ焦点をあてた「大人の」ショーを目指したらどうでしょうか。ユーザーの意識はとっくに先を行っていると思いますよ。