しぐさ〜リモコン・電話

いまはさすがにいないでしょうが、ちょっと前まで、リモコンと言うと右手で何かつかむふりをしながら前後に動かすしぐさが結構ポピュラーでした。そう、鉄人28号のまねです(筆者の年がばれますな)。
また、電話の場合は、左手で受話器をもつふりをし、右手の人差し指をぐるぐる回す人が多くありました。プッシュホンについてはどうでしょうか。しかし、携帯のまねは何となくしまらない。そもそも、右手を耳にかざすだけでは、電話をしているという感じが薄いですね。

また、以前は、ビジネスマンが写真に写る場合、電話をかけている場面(ふり)がしばしば見られました。いかにも仕事をしているという印象があったからですが、これも携帯だとねえ。変に小さかったり、ブラックベリーのようにわしづかみにしたりして様にならないですね。じゃあ、パソコンを打っているのはというと、どうしても視線を集中する必要があるので何か必死にやっていると言う感じになって優雅さがなくなってします。また、電話だと、話しながらこちらを見るのは自然ですが、パソコンの場合こちらを見るのは中断ですからね。そういう意味で、いい小道具が一つ消えてしまったと言うことですな。まあ、最近は正面から語りかけるスタイルが主流のようです。

それにしても、固定電話がなくなったことで(あっても使わなくなって)、日本のオフィスの雰囲気も本当に変わりましたね。昔は、オフィスは電話の呼び出し音や大声で話す人の声などでかなり騒がしいものでした。しかし、今はパソコンでのメール主体となって、しーんとしていますね。また、手書きを本当にしなくなりました。

昔、東京証券取引所の場立ちが無くなったときに、作家で証券会社勤務経験のある団鬼六氏が、相場の臭いを感じることができなくなったと嘆いておられましたが、今のオフィスも同じような嫌いがありますね。もっとも、それは、仕事やマネジメントの新たな手法が要求されているということでもあるんでしょう。逆に、それなしに、旧来の感覚的なやり方だけでは早晩行き詰ることでしょう(いや、もう行き詰っている?)。