2009-01-01から1年間の記事一覧

ジェンダー論

厚生労働省の局長の逮捕もあいまって、筆者の周りでジェンダー論がわきあがっています。というのは、報道のなかで「女性局長」と強調されており、働く女性の憤慨を誘っているんです。「女性」は関係ないんじゃないか、何で「女性」を強調されるのかというこ…

ハンドルネームについて

「ヨーロッパ象」というハンドルネームについて、お問い合わせのような反応がありましたので、少しだけ。まず、自分が象が好きであるということですね。子供のときは特にそうでもなかったんですが、大人になって生き方を考えるときに、一つの理想形の象徴の…

ものづくり議論に思う

風観羽さんのブログから伝って大西宏さんとか中谷教授の議論を読みまして、筆者も考えさせられるところ大です。何しろ、筆者、毎日菜っ葉服を着て製造現場にどっぷり漬かっているものですから。まず、「ものづくり」が日本人のDNAに根ざすわけではないという…

測量と言うもの

突然、測量と思われるかもしれませんが、筆者、測量士補の資格を持っていまして。一時期、測量を業の一つとする会社に出向していた際に、興味を覚えて勉強してみた結果と言うわけです。一般の方は、測量というと望遠鏡のような装置と赤白の棒を持った作業者…

ヴァン・クライバーン

辻井伸行さんがヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝したニュースが大きく取り上げられているようです。最近のクラシック音楽の底辺の広がりを感じるとともに、氏が全盲であったこともニュースヴァリューを高めているんでしょう。この点について…

どうでもいい「お」のはなし

当地では、時々半分ボランティア気分で、会社の通訳さんたちと日本語勉強会をやっていますが、毎回実感するのは、日本語のニュアンスの微妙さというか危険性です。 中でも難しいのは敬語であり、とりわけ、「お」の使い方は難物の一つです。「お」というのは…

名前のヴァリエーション

筆者、アメリカに駐在していたときに、ニックネームをもらっていました。筆者だけでなく、日本人はほぼ全員持っていましたね。 実際、無いと非常に不便なんですよ。というのは、日本人の名前はアメリカ人にすっと入っていかない、あるいは覚えられないようで…

RiskとDanger

風観羽さんの宣伝のおかげで、たくさんの方においでいただいているようで、お礼申し上げます。さて、日本ではリスクのことを「危険」、あるいは「災害発生の可能性」と捉えている人が結構いるようですが、もう少し奥の深い構造があるようです。 いつか、航空…

品質産業とクレーム産業

世の中のビジネスにはいろいろな切り口があるんですが、「品質産業」と「クレーム産業」という区分も可能ではないかと思います。 といっても、何のことか分からないと思いますが。 この言葉を聞いたのは、住宅産業に携わっている友人からでした。住宅も大手…

ツール派とコンテンツ派?

先日日本に一時帰国した際に、畏友風観羽さんと長時間話し合う機会を持ちました。相変わらず、非常に刺激的な時間だったんですが、その際、氏が繰り返しiPhoneの魅力について語り、また実演してくれました。しかし、筆者には残念ながらピンと来なかったのが…

経済学は役に立つか

最近、ネット上で、経済学の有用性についての議論が結構白熱しています。例えば、ぐっちーさんとか畏友、風観羽さんとかがいい議論を展開されています。ですので、屋上屋の観がありますが、筆者も経済学士の端くれですので、少し書いてみますか。まず、人間…

現代文明を支えるもの

世の中には、非常に単純なものに実は大きく依存しているケースが結構あります。 例えば、産業における「ねじ」なんかそうですね。たかが、ねじと言うなかれ。自動車にしても、電気器具にしても、最終組み立てというのはほとんどねじ締めです。ねじなしには、…

歴史人口学からの妄想

先月、当地TVの日本チャンネルでやっていたNHK「爆笑学問」は衝撃的でした。テーマは歴史人口学で、上智大学の鬼頭宏教授がゲストだったんですが、一番印象に残ったのが、「弥生から奈良朝にかけての日本の人口増加は外からの流入なしには考えられない…

フランクフルト

今月は日本に帰国していた関係で、更新をだいぶさぼってしまっています。まあ、無理のない範囲と言う方針ですのでご寛恕ください。 さて、帰国の際に、フランクフルト空港で相当な待ち時間があったので、町に出てみましたが、非常に勉強になりましたね。簡単…

私の歴史原体験

しばらく更新をさぼっていましたが、日本に一時帰国していたもので。それにしても、インフルエンザ騒ぎは国外から見ると異常ですね。弱毒性らしいので、もう少し冷静というかまともな対応をしてほしいものです。さて、筆者の周り、というか親戚筋でのメール…

三十年戦争

戦争はすべからく悲惨なものですが、ヨーロッパの三十年戦争は史上最も悲惨な戦争の一つであると思います。この戦争、1618年から1648年までの丁度30年、最初はカトリックとプロテスタントの闘争、後にはハプスブルク家とブルボン家の争いになり、…

筆者の文体について

昨日の続きです。 筆者は、このブログでは、文体として「〜と思います」と書くことが多いはずです。基本的に、あまり断言はしたくないですね。昨日も書いたように、物事を把握することがいかに大変かと思っているので。実は最近、同級生の一人が亡くなりまし…

なぜ時評をしないか

このブログでは、筆者は基本的に時事評論をしていません。 ブログを始めるにあたって書いたように、組織人としては、あまり適当なことを書いて組織に迷惑をかけたくないという面があります。 しかし、もっと根本には、「時評の難しさ」を感じているからなん…

寺山修司

イースターウィークエンドは、チェコにいたんですが、その間に栗原裕一郎氏の「<盗作>の文学史」を読みふけっていて結局約500ページを読了できました。自ら、「文芸における盗作事件のデータをここまで揃えた書物は過去に例がなく、類書が絶無に近いこ…

散りぎわについて

先日、オペラをまた聴きに行きまして。 今回は、ヴェルディの「椿姫」。貴族相手の高級娼婦のヒロインが、青年貴族と恋仲になったものの、青年の父親から諭され、身を引く。最後は、肺結核に冒され、駆けつけた青年の腕の中で息を引き取る・・というストーリ…

イースター

当地ヨーロッパは、ただいまイースターウィークエンドにあります。そのため、筆者も3連休の小旅行を楽しんでおります。 よく分からないのは、なぜか、毎年の日にちというか月まで違うんですね。昨年は3月だったんですが、今年は4月なんですな。 イースタ…

プルゼニュ/ピルゼンという町

昨日書きましたとおり、筆者、この週末、チェコに滞在していました。泊まっていたのは、プルゼニュという町なんですが、日本人には、旧名(ドイツ語名)のピルゼンの方が通りが良いでしょうね。そう、あのビールで有名なピルゼンです。 なぜピルゼンがビール…

オペラの愉しみ(その2)

総合芸術であるオペラですが、内容はなかなかあぶないものがあります。 まず、悲劇の場合は大体、殺人ですね。あるいは目をつぶしたりなんかも日常茶飯です。その意味では、ナイフとか剣はオペラの必須アイテムです。 また、濡れ場も実に多い。大体、殺人の…

オペラの愉しみ(その1)

昨晩は、久しぶりにオペラを聴きに行きましたが、すばらしくてまだ興奮さめやらないという感じです。演目は、サンーサーンスの「サムソンとデリラ」だったんですが、ソリストの力が凄くて。豊かな歌声は本当に満ち足りた気分にさせてくれます。筆者の住居か…

食べ物のこと

最近、旧社会主義国なんかも本当に開けてきましてね。ショッピングモールなんか歩くと、ブランドショップなど旧西側と遜色ないですよ。 スーパーマーケットなんかも百花繚乱なんですが、面白いのは旧社会主義国では例えば英系のテスコとか、仏系のカルフール…

子供にこそ最高のものを

子供だましなんていう言葉がありますが、子供をだますのは罪ですよ。昔の夜店なんか、それこそ子供だましのオンパレードでしたが、翌朝見たときのみすぼらしさには悲しいものがありましたね。まあ、そんな体験を積み重ねることによって、成長していくものか…

料理人さん

筆者のいるところには、幸いなことに日本料理店があるのですが、ヨーロッパの、特に内陸部で日本料理を提供するのは本当に大変だと思います。 日本料理の場合、丼ものは別とすると、必要な素材が実に多いですね、例えば、わさびなんかその典型ですし、味噌と…

ヴロツワフという町

ポーランド南西部にヴロツワフ(Wroclaw)という、人口70万くらいの、ポーランドで4番目に大きい町があります。中東欧にありがちな、中心の広場が大きな、きれいな町ですが、これがなかなか複雑な歴史がありまして。この町、西部ポーランドがどこもそうで…

ドクターヘリの効用

筆者、少し前までヘリコプター運用の会社に関わっておりまして、そこで「ドクターヘリ」の効用について蒙を啓かされた経験があります。 ドクターヘリなるもの、空飛ぶ救急車と思っている向きもあろうかと思いますが、それが大違いなんですね。むしろ、空飛ぶ…

キッシンジャーの「外交」

今、年末に日本で買い込んだヘンリー・キッシンジャーの「外交」全2巻を読んでいます。やっと、上巻を読み終えましたが、監訳者の岡崎久彦氏が、最初の予定では半年で終わるはずだった訳が2年かかったと述懐しているように、かなり歯ごたえがあり、しかも…